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基本功
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基本功について 1

10/01/11 14:27

さて今回から基本功について説明していこうと思う。

実は一言で基本功といっても、目的別に様々な基本功がある。
① 内家拳独特の基本姿勢を身につける。
② 足腰を強化する。
③ 内家拳独特の身体の動かし方を学ぶ。
④ 内家拳独特の力の出し方を身につける。
などである。

当会では、站樁の稽古で基本姿勢を身につけ、準備運動でより内家拳的な身体を作っていく。当会の準備運動は、単なるウォーミングアップやストレッチとは違い、内家拳を行なうための身体作り、いわゆる練功法でもある。歩法の稽古では、強靭な足腰とバランス感覚を養っていく。

当会でもっぱら基本功と呼んでいるのは、
③ 内家拳独特の身体の動かし方を学ぶ。
④ 内家拳独特の力の出し方を身につける。

になるだろうか。

基本功の第一回では、起勢式を取りあげてみたい。
当会の会員以外の読者の方は、何だ起勢式かと拍子抜けしたかもしれない。
確かに起勢式自体は、珍しくも何ともない。太極拳のほぼ全ての套路で最初に行なう手を上下する動作である。

読者の中で、起勢式を套路の最初に行う動作という認識だけでなく、起勢式のみを抜粋して徹底的に練り込んだ経験のある方は、どれほどいるだろうか。おそらく当会の会員以外では、ほとんどいないのではないかと思う。

当会で考える起勢式の目的としては、
① 身体をポンプ化(ピストン化)する。
② 下方に向かっての按勁の養成。

の2点が挙げられる。
他に上方に向かっての掤勁の養成も考えられるが、掤勁については、站樁及び他の練功法によっても養成されるので、今回は上記の2点に集中したい。

では、まず① 身体をポンプ化(ピストン化)する。とはどういうことだろうか。

站樁を行なう目的のひとつとして、内功の養成を挙げた。
内功を養成すれば全身に気血が循環し、それだけでも健康には良いが、それだけでは武術としての用は成さない。(この場合の武術というのは、実戦という意味ではなく、主に武術としての身体の使い方をさす)武術として役立たせるためには、養ってきた内功をある種の力として転化する必要がある。(この内功を基にした力のことを勁力という)内功を力として転化する第一歩が、站樁等の稽古法により下方に沈殿させた内功を一旦引き上げ、腕に通すと同時に再び落ろしていく起勢式という動作になる。

具体的には、身体を大きな注射器のようにイメージし、地面から薬剤を吸い上げるように少しずつ内功を引き上げていく。この際、身体は膨張していこうとするが、身体内は真空で一切漏れ場がなく、逆にある意味膨張ができない状態にする。そして引き上げた内功を腕と再び身体にも通し、薬剤を逆に地面に注入していくような感じで下ろしていく。この時身体は圧縮していこうとするが、やはり一切漏れ場ないため、圧縮できない状態にする。この動作を何度も何度も繰り返し、少しずつ内功を上下に移動する感覚を養っていく。言葉にすると簡単だが、実際にはこれが非常に難しい。

私は前出したN師父の下で、この起勢式を徹底的に練らされた。そして、おそらく今も当会の会員の中で、一番起勢式を練習しているだろう。それでも、まだまだ完成したとは言えない。練習を続けていると、段々と精度が増していくのを実感するし、身体の感覚も変わっていく。また起勢式が変わることで、他の基本動作や套路にも影響し、全てが変わっていく。当会ではやはり最重要の基本功であると言える。

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